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KDDI・ドコモ・NEC・日立等、同一空間で複数事業者のドローン飛行を支援する運航管理システムを実証
投稿日 2019年3月4日 21:46:03 (ニュース)
- 複数事業者のドローンの運航を共有するための「運航管理統合機能」
例: 各ドローンの飛行経路や離着陸場の重複の回避- 飛行計画管理(NEC)
複数のドローン事業者が運航管理機能を用いて提出する飛行計画(飛行経路、空域)の情報を管理し、他の運航管理機能から提出された飛行計画と経路や空域、離発着場使用の干渉などを確認。さらにドローンが安全に飛行できる気象かどうかの確認や、3次元地図情報を活用した建物・地形との干渉の有無なども確認し、飛行計画の干渉があった場合には、その理由を運航管理機能に報告して計画の見直しを要請する。 - 空域情報管理(NTTデータ)
複数のドローン事業者が同一空域を協調して安全に利用するために必要な、空域管理の機能を提供。各情報提供機能から提供される飛行禁止空域や、地表障害物情報などの情報を一元的に管理するとともに、APIを介して運航管理統合機能および運航管理機能へ即時に提供する。また、前述の静的な情報に加え、災害時など突発的に設定される飛行禁止空域を確実にドローン事業者に通知する仕組みや、同空域を共有する可能性のある有人航空機の位置情報をドローン事業者と共有する仕組みを提供することで、空域の安全性を高める。 - 飛行状況管理(日立)
複数事業者のドローンが飛行する状況下で、各事業者の運航管理機能から通知されるリアルタイムな飛行状況情報を受信し、飛行中の全てのドローンの位置情報、速度、飛行進路の把握を行う。また、ドローン同士、ドローンと飛行禁止エリアおよび地表障害物との近接状況、飛行計画と実際の飛行経路の差分を監視し、必要に応じて運航管理機能に注意喚起を行う。
- 飛行計画管理(NEC)
- 個別事業者が運航管理システムにアクセスし、サービスを実現するための「運航管理機能」
例: 飛行計画の作成や申請、飛行状況の監視- 災害調査(NTTドコモ)
上空でのモバイルネットワークの利用を想定した運航管理機能で、通信環境を含めたドローンの安全な運航を支援し、高速かつ大容量通信を活用してドローン搭載カメラからリアルタイムに被災状況の調査を行う。災害発生に伴う上空の通信環境の変化をドローンで測定し、当初計画した航路上での通信途絶が懸念される場合は、通信環境の安定した飛行経路を再策定する。 - 警備(KDDI)
同事業でテラドローン株式会社、セコム株式会社と共同開発した俯瞰ドローン2機と巡回ドローン2機の計4機を利用した広域施設の遠隔巡回警備向けのアプリケーションを運航管理機能と情報提供機能と接続して、モバイルネットワークを活用した広範囲での迅速な警備を実現。 - 物流(楽天)
ドローンを活用して物資配送を行う際の運航管理機能を構築するとともに、離発着の利便性と物流のビジネス形態を考慮して、ドローンの発着と荷物の積み下ろしを行うための新たなドローンポートを試作し、運用する。この装置は、ドローンがポート上部に配送した荷物を自動的に内部に収納し、荷物の注文者が電子錠を用いて解錠し、取り出せる機能を備えている。 - 郵便(日立製作所)
複数事業者のドローンが飛行する状況下で、他事業者の飛行計画と干渉することなく最適な飛行計画立案を支援し、飛行中には他ドローンとの近接状況を監視・注意喚起を行い、安心・安全なドローンによる配送サービスを提供する。同実証では、日本郵便株式会社の協力を得て、災害発生後において仮想郵便局から避難所および個人宅へ、ドローンにより郵便物を配送することを模した飛行が行われた。
- 災害調査(NTTドコモ)
- 空域の3次元地図・気象情報などの情報を提供する「情報提供機能」
例: 詳細な3次元地図情報やドローンが飛行する高度の風速などの気象情報- 3次元地図情報(ゼンリン)
福島ロボットテストフィールドを含む南相馬市、浪江町エリアで、3次元地図情報を整備し、運航管理統合機能、運航管理機能へリアルタイムな情報提供を可能にするAPIの初期開発を行った。ドローンの安全飛行ルートの作成や送電鉄塔や建築物などの障害物への接近の検知に必要な、正確な高さデータを有する3次元地図情報に加え、日本気象協会などが提供する気象情報や南相馬市と共同整備したイベント開催による規制エリアなどの多様な情報を統合し、運航管理統合機能、運航管理機能へ提供する。 - 気象情報(日本気象協会)
福島ロボットテストフィールドの気象観測装置のデータを利用し、高解像度・高頻度に更新するドローン専用のリアルタイム風推定システムを開発した。ドローンが安全かつ効率的に飛行するために必要な飛行高度の気象情報を運航管理統合機能、運航管理機能に提供する。
- 3次元地図情報(ゼンリン)
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将来、多数のドローンが飛び交い、物流や郵便、警備、災害調査、点検、測量、農業などのさまざまな分野で活用されることが期待されている。高密度でドローンが飛び交うには、すべての機体の飛行計画と飛行状況を掌握して、衝突などの危険を確実に回避し、ドローンの運航を統合的に管理する必要がある。さらに、ドローンの安全運航のためには、気象情報や地形、建物の3次元地図情報をドローン事業者に提供する必要がある。
このような中、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)、日本電気株式会社(以下、NEC)、株式会社NTTデータ、株式会社日立製作所(以下、日立)、株式会社NTTドコモ、楽天株式会社、KDDI株式会社、株式会社ゼンリン、一般財団法人日本気象協会は、福島県と南相馬市の協力のもと、同一空域で複数事業者のドローンが安全に飛行するための運航管理システムを開発し、実証試験を行った。
同実証試験は、南相馬市復興工業団地内の「福島ロボットテストフィールド」で2019年2月25日から2月28日まで行われた。ドローンを活用した「災害調査」「警備」「物流」「郵便」の4つの利用シーンを想定して、合計10機のドローンを目視外で自律飛行させ、運航管理システムが正常に作動し、基本的な運航管理機能に基づいて同一空域における複数のドローンの飛行を支援できることが確認された。
今回開発された運航管理システムは、同プロジェクトで国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構が担当する全体設計に基づいて、次の3つの機能で構成され、それぞれが協調的に動作する。
来年度以降、今回開発された運航管理システムの普及に向けて、現在NEDOプロジェクトに参画しているドローン事業者以外の国内外のドローン事業者が、運航管理統合機能と接続したドローン運航試験を福島ロボットテストフィールド内で実施できるように、運航管理システムのAPIを順次公開する予定である。さらに、同運航管理システムは、国際標準への提案を見据えている。
なお、今回の実証試験は、2017年11月22日にNEDOと福島県が締結したロボット・ドローンの実証等に関する協力協定に基づく取り組みの一環である。
Source: IoTニュース
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