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エバーブルーテクノロジーズ、酒田港-飛島間で「スマートアイランド推進実証調査業務」実証実験を開始
投稿日 2022年10月25日 15:22:16 (ニュース)
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鳥海山をバックに自動帆走する帆船型ドローンAST-231 エバーブルーテクノロジーズ株式会社(以下:エバーブルー)は、同社が参画する国土交通省実施の「令和4年度スマートアイランド推進実証調査業務」にて、2022年9月23日より第1回実証調査を実施した。 実証調査の背景 同取り組みは、エバーブルーが、酒田市、とびしま未来協議会、NTTデータ経営研究所、東日本電信電話株式会社山形支店(以下:NTT東日本)と共に運営するコンソーシアム「飛島スマートアイランド推進協議会」にて採択を受けたもの。離島が抱えている課題として「物流・観光・ゴミ」問題がある。 実験内容 エバーブルーでは、自動操船化ユニット「eb-NAVIGATOR2.0」「eb-CONNECT」および転覆しにくいヨット型ドローン「everblue AST-231」を使い、無人自動操船、運搬・海洋調査、海上パトロールを担当。山形県の酒田市から40km離れた離島「飛島」まで全長2.3mクラスの帆船型ドローンを使い無人操船での自動航行させ、生活物資や海ゴミの運搬、遠隔海上パトロールを実証する 実証実験は大きな機材トラブルもなく無事終了し、今回の結果をもとに船体に改良を加えて一部の実験について再度、年内に実証実験を実施予定だという。 実証実験概要 長期間の天候不順等に備えて定期船を補完し、将来的な海上物資輸送手段、調査・パトロール手段として無人で自律可能且つ再生可能エネルギーを利用する帆船型ドローンの有用性を検証する。 無人航行テスト:酒田港から飛島までの間(約40km)での航行可能性実証(2022年9月23日) 本土から飛島へ、無人航行させる際の課題抽出のための航行テスト、酒田港―飛島39km中6km、2時間を無人自動帆走。 5:00 スタート 実験内容共有/搬送準備・運搬 7:30 伴走艇出航/実験開始ポイントへ移動 8:30 AUTOモードによる無人航行開始 2時間、6km自動航行 10:30 天候変化により艇速が想定よりも低く夕刻までに到着できない見込みとなったため、船長判断にて牽引に切替え移動 13:00 飛島、勝浦到着 遠隔監視テスト:御積島密漁パトロール 4km自動帆走(2022年9月24日) インターネットカメラ(ぎがらくカメラ)の実際の映像 御積島周辺での密漁船などの警備監視パトロールを無人航行船にて遠隔監視することを想定。遠隔からパトロールできること、不審船や密漁船の発見に有用であることを確認した。想像以上に映像はクリアで音声もライブ感があったという。マイクから会話することも可能で、これに拡声器をつけることで洋上での不審船、密漁船に対し警告を発することができる。 13:00 勝浦から牽引して御積島の実験開始ポイントへ 海況が悪く、風も強く波も高いためスタッフが同乗して安全確保の上実証実験を開始した。波が高い海況だったが、比較的海況のよい島影でリリース、自動航行および遠隔操作を切り替えながら島周辺を帆走。帆船型ドローンにはインターネット経由で遠隔からライブ映像、音声の確認やマイクを使って話しかけることのできる「ぎがらくカメラ」を搭載し、港に留まったスタッフが遠隔で島周辺の映像、音声を確認した。 無人物資運搬テスト:海ごみ等運搬を自動航行化 海ゴミ運搬2袋、3km無人で自動帆走(2022年9月25日) 島に漂着する海ゴミを海上輸送することを想定。日本海に浮かぶ飛島には大陸から多くの海ゴミが漂着する。漂着するポイントは大陸側だが、ゴミを処理するには反対側の港に持っていく必要があり、現在はこの大量な海ゴミを陸路で人力で運び山を越えてからさらにクルマで運び出しているため、相当大変な作業となっているという。 島に漂着する海ゴミ そこで、海で拾った海ゴミは帆船型ドローンに積載、海路を使って反対側の港まで持っていき、作業負担を軽減する実証実験を実施した。 9:00 海水浴場にて海洋ゴミを回収。日本海に面し多くの海ゴミが漂着する荒崎などを見学・下見調査 13:00 帆船型ドローンに海洋ゴミを積載。海況が安定している法木港から勝浦港まで無人での自動航行を実施、無人自動帆走にて運搬できることを確認 海洋データ取得:海洋資源保護・調査に向けた海中自動撮影 設定したコースの自動帆走(2022年9月26日) 水産資源管理、保護を目的に予め指定した海域の藻場の水中映像を撮影。撮影した映像は後日NTT研究所にてAI解析し自動で水産資源の状況を判定、活用可能性を検証する。海上では目標物がなく位置が分かりにくいが、GPSを利用した位置情報をもとに何度でも正確に同じ場所を撮影できることを検証した。 飛島ではアワビやサザエなどの海洋資源が豊富で、そういった貝類は藻場とよばれる藻が生息している海域に多くいるため、藻の生育度合いが分かればどれくらいの貝類が生息しているか推定できるという。 藻は太陽光が届く水深数メーターの浅い岩礁に繁茂しているため、大きな調査船はもちろん、小型船舶、漁船もなかなか近づけないという。小型の帆船型ドローンであれば近づくことができるため、この課題を解決できるとの考えから、水中カメラを取付けて水中撮影を行った。 実際に水中カメラで撮影した画像 13:30 法木港集合、曳航して藻場調査海域移動、自動航行を開始。調査海域は指定された藻場エリア内にジグザグの経路を設定し、自動で航行、まんべんなく海中を撮影できた。これを3度実施し、調査海域を正確に自動航行できることを確認した。 この動画はNTT研究所のAI解析にかけることで、自動的に海洋資源の状況を把握できる。 ▶︎エバーブルーテクノロジーズ株式会社
Source: ドローン 専門メディア「DRONE」
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